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第36章 省吾の我儘

「おぅおぅ…
守るとも…守らないで…
どうするんじゃ…」

「淳ちゃん、ご迷惑では？」

由美が心配している。

「今回だけ…旦那様の…
我儘を…聞きますね。」

「ごめんなさいね…」

「気にしないで下さい。」

淳は早速省吾の検査入院の

希望をさゆりに伝えた。

さゆりも省吾の気持ちは痛いほど分かる。

「淳、今回は省吾様のお気持ちを
汲んで認めますが…
次回からは…」

「分かっています…
その辺は私が責任をもって
旦那様に言い含めます。」

「頼んだわよ…」

そこへゆりと結花が入ってきた。

話を聞いて二人は頭を抱えて

「すいません…
父が我儘を…」

と二人、頭を下げた。

「良いのよ…
省吾様は貴方達に
毎日会いたいと望んでおられます。」

「はぁ…」

結花がため息をついて

「お父さん…頼むよ…」

ゆりも

「お父さん、私達に
会いたいなら…
こっちから遊びに行くのに…」

二人は困惑している。