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第36章 省吾の我儘

そして省吾は検査入院の為

朝から病院にやってきた。

「おはようございます。」

詰所スタッフが省吾を出迎えた。

「いやいや…
婦長さん…今回も
お世話になりますじゃ。」

省吾は深々と頭を下げた。

「お父さん！！」

ゆりが省吾を睨んで角を出していた。

「おうおう…ゆりか…」

「ゆりか…じゃないわよ！！
病院はお父さんの遊び場ではないのよ？
分かってるの？」

「まぁ、そう…言うな…
わしはゆりと結花の顔を
見たくてじゃな…」

「パコン！！」

後ろから結花が入院案内冊子を

丸めて省吾の頭を叩いた。

「ちょ、ゆり、結花！！
省吾様になんて言う事を！！」

「良いんです…
婦長さん、皆…
私達の父を…
甘やかさないで下さい！！」

「ははは…
娘の言う通りじゃ…
この年寄を甘やかさないで下さい。
わしは…普通の人と同じ
生活をしてみたいのじゃよ。」

「違うでしょ！！」

結花とゆりは省吾を尚も睨んでいる。

「まぁまぁ…
結花もゆりもそう怒らないで…
では、旦那様…
今回もこの淳が旦那様の
担当でございます。
それでは、お部屋にご案内致します。」

淳は一礼して省吾を病室へ案内した。