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淳、光と闇
第36章 省吾の我儘
「淳!!お父さんを…
甘やかさないで!!
お願いよ?」
「はいはい…」
そう返事しながら
「今からこの騒ぎじゃ…
先が思いやられるわ…」
苦笑いをしながら淳は省吾を
病室へ案内した。
省吾も結花もゆりも…
親子と分かって毎日会いたい…
そんな気持ちを淳は嬉しかった。
淳には親はいない。
「羨ましいな…」
淳はそう思っていた。
省吾とお供は病室へ入っていく。
「淳ちゃん…あのな…」
「はい、何でしょう?」
「これは…淳ちゃんと
結花、ユリへの土産だ…」
淳が見ると中には高価な
洋服や和服…そして宝石や
アクセサリーなどがぎっしり…
「だ、旦那様!!」
「これは…わしからの…
せめてもの気持ちじゃ…
淳ちゃん、受け取ってくれんかのぅ?」
優しい省吾の目…
「少しお待ちください。」
淳は結花とゆり、そしてさゆりを
呼んできて土産を見せた。
みるみる結花とゆりの顔色が変わる。
「わ、まずい!!」
淳が慌てて二人を止めたが…
「お父さん…怒るわよ?」
「気に入らんかのぅ?」
「そうじゃなくて…
お父さん…何考えてんの!!」
二人は激怒して部屋を出て行った。
「わしは…間違ったことをしたかのぅ。」
省吾は悲しそうに言う。