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淳、光と闇
第38章 ゆりの願い、母の祈り
「淳!!貴方は…
ゆりを救いたくはないのですか?
ゆりは貴方の手腕を待っているのです。
いいですか?
健先生のサブを…交代する事は
私が許しません。
出来ないのなら…
ここを…病院を去りなさい!!」
「婦長…」
「淳、貴方は天才看護師…
必ず…ゆりを…救いなさい…
分りましたか?」
「は…い…」
それ以降淳は元に戻りその手腕を振るった。
この時間の遅れで処置が遅れた。
「くそ…間に合わない!!」
出血に止血が間に合っていない。
「どいて!!」
夢子が舞と共に止血処置を始めて
「先生…早く…」
咲が叫ぶ。
「血圧低下…
意識が戻りません!!」
「輸血…追加…」
「血液が間に合わない。」
「く、くっそう…」
「早く輸血をしろ!!」
外には省吾の使用人が大量の
血液を集めて届けてくれた。
「これを早く!!」
素早く咲が検査を行い
「使用可能!!
全血液、使えます!!」
「すぐに輸血だ!!」
「血圧上昇中…
戻りました…」
「くそ…繊細な量を測れねぇ…」
与太郎が苦戦している。
健太が
「麻酔…どうした?」
「くそう…」
それを見ていたロバート…
「与太郎、計器に頼るな!
自分を信じろ!!」
与太郎は一切の計器を見る事をやめた。
そして自分の勘で…自分の指先で…
ダイヤルを回す。
目を閉じて与太郎は全神経を
集中して麻酔の量を調節した。
「よし、ドンピシャリだ!!」