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淳、光と闇
第38章 ゆりの願い、母の祈り
「やったな!!」
「はい!!」
全員がハイタッチで成功を喜んだ。
「先生…」
省吾が健に不安そうに尋ねた。
「娘は…?孫は…?」
「爺さん…大丈夫…
全員…母子…全員…助かったよ…」
にっこりと笑って答える健。
「そうですか…
有難う…有難う…」
省吾はその場に泣き崩れた。
「旦那様!!」
由美と淳が省吾に駆け寄ってきた。
「お父さん!!」
結花が省吾に抱きついて
「ゆりと子供は…
助かったよ…」
「良かったな、良かったな…」
「ここは…?」
ゆりが目を覚ました。
「ゆりちゃん、ここは…
第一内科の病室ですよ。」
さゆりが優しく告げた。
「婦長さん…」
「私…助かった…の?
子供は…子供は…
私の…赤ちゃん…」
「大丈夫ですよ…
今は婦人科の保育器の中ですが…
明日からゆりちゃんも
婦人科へ移って赤ちゃんと
一緒に入院ですよ。」
「私の…赤ちゃん…」
「ゆり!!」
結花が泣きながらゆりに縋り付いた。