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淳、光と闇
第38章 ゆりの願い、母の祈り


「結花…」

「ゆり、助かったのよ…
貴方は…この病院の…
世界一のチームに救われたの…
貴方も子供も…
世界一のチームに…ゆり!!」

「結花…」

「ゆり…」

「お父さん…」

「良かったのぅ…
良かったのぅ…」

涙で言葉にならない省吾。


省吾は第一内科の詰め所にて

「わしの…大切な娘…
大切な…孫を…
助けて頂いて…
何とお礼を申し上げてよいやら…
本当に…有難う御座いました。」

省吾は由美と共にスタッフに

頭を下げて礼を尽くした。

「旦那様…」

「おぅおぅ…淳ちゃんか?」

「良かったですね…」

「うん、有難う…」

「早く…新しいおもちゃを
買わないと赤ちゃん
退院してしまいますよ?」

「そうじゃな…」

淳はゆりの我が子を見る優しい

母の目を思い出していた。

「私のお母さんも…
きっとあんな目をしていたんだろうな。」

「お母さん…」

淳の目に涙が零れ落ちた。


「由美君…」

「はい…旦那様…」

「大至急…友也を…探しなさい。」

「はい、かしこまりました。」

「ゆりの子を片親にしてなるものか…」

「それと…」

「はい…」

「淳ちゃんの…」

「旦那様…それはいけません!」

「やはり…駄目か?」

「お互いを不幸にしてしまいます。」

「不憫じゃ…」

「お察し申し上げます…」

「この世とは…
何と非常なものか…
なんと悲しいものか…」
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