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淳、光と闇
第7章 小さな命 武への愛
「分っていますが…
あの腕白坊主は…」

全員がため息をついた。

詰め所で武の話になると淳は

小さくなっている。

「全く…あの子は…」


ある日。

今日は武の誕生日だった。

淳は夜勤明けで帰る時に

武の病室に立ち寄って武に

「武ぃ、今日は誕生日だよね?
何が欲しい?
お姉ちゃん街へ出るから
欲しい物を買ってあげるわよ。」

「お姉ちゃん…
欲しい物はないけど…」

「けど、何よ?」

「あのね…
俺…一度で良いから
お姉ちゃんと
デートしたい。」

「はぁ…??
デートぉ…」

淳は目を丸くした。

「デートならいつもしてるでしょ?」

「違うよ…
俺…きちんとした
デートがしたい。」

淳は武が本気で

言っていると感じた。

「わ、分ったわよ…
じゃぁ、今度の
非番の日で良いかな?」

「うん…楽しみにしてる…」

淳は武が元気のない事を気にしていた。

「デート…ねぇ…」

淳は婦長のさゆりに武の事を話して

院内デートの許可を貰った。

さゆりは少し考えて

「淳ちゃん、その日は…
業務に支障がなければ
院内何処へ行っても良いわよ。
病院と看護課には
私から許可を貰っておきます。」

さゆりはそう言って淳を見た。

「有難うございます。
婦長…」

「武君…」


デートの当日、淳は夜勤明けで

一度寮に帰って仮眠を取り

業務に支障が出ない夕方から

武とデートの計画を立てた。

この日ばかりは武は看護師達の

言う事をよく聞いた。

「聞かなければデートはなし!!」

と淳にきつく言われていたからである。

昼過ぎに淳はシャワー浴びて

着ていく服を選んでいく。

相手は武だがその辺には

手抜きはしない。
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