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渇いた人妻たち
第2章 身の上話
浩美は初対面の夜から鉄道員の制服がとっても良く似合った甘いマスクの征男に密かに心を寄せていたので、お婆さんからのまた聞きではあったものの、その征男が自分のことが好きだと言ってくれたことに対して少女のような嬉しさと、ときめきを覚え、それを聞いた日からは自宅から丸見えの位置に在る駅の職員専用駐車場が大いに気に掛かるようになり、そこに征男の車が停まっている日は、嬉しくて仕方が無いし、目指す車が無い日は何をするのも億劫になる程で、次第に征男が自分の心の中に入り込むのを意識するようになり、征男の当直の日には午前中に花器のお水を入れ替えに寄り、夕方には花台の周辺の拭き掃除にと必ず二度は征男の前に現れるようになり、征男にお茶を入れ、話しをするのを楽しみとするようにまでなっていた。
征男が着任してから二ヶ月ほど過ぎた六月中旬のある日、その日も花材の包みを抱えた浩美が現れ何時ものように二人でお茶を飲んでいた。
征男が着任してから二ヶ月ほど過ぎた六月中旬のある日、その日も花材の包みを抱えた浩美が現れ何時ものように二人でお茶を飲んでいた。