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第2章 　身の上話

　征男もその三十分後に後任者への引継ぎもそこそこに駅を後にして道中三十分程の時間も嬉しさが込み上げ、胸ワクワクで一分でも早く着きたい様な心境で浩美の待つ駐車場へと向かっていた。
　開店までに時間のあるその広々とした駐車場は閑散としており、その真ん中付近に浩美は車を停め車内で雑誌を広げて待っていた。
　征男の車が近づき、気配で気付いた浩美に奥の方へ移動するよう手でサインを出し、国道からは死角になりそうな場所へ自分の車で誘導してそこに車を駐車させて助手席のドアを指示すると浩美は素早く乗り込んできた。
　「待たせて悪かったね」
　「おはようございます」
　「ようこそ僕の車へ」
　「私の車と違って豪華ね」
　「僕は浩美が横に乗ってくれる日が来るのを心待ちにしていたのでその願いが叶い感激で胸がドキドキしているのだけど、浩美は平気なんだね？」
　「その反対で、今までにこんな経験無いから心臓が破裂しそうになってるのよ」