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渇いた人妻たち
第4章 無意味な約束
 「あそこに見えているホテルへ入るから横に伏せていると良いよ」
 「・・・」
 征男は以前に使った事が有り、勝手の分かっている田んぼの中にケバケバしく聳え立つラブホのアーチを潜り車庫へ車を入れた。
 「はい着きました、降りようか」
 征男は自分の直ぐ後ろのドアを開けじっと伏せて、全身がガタガタと震えている浩美の脇の下に手をかけて、乗り込んだ時の反対側へと降ろし、そのドアを閉め、ロックしてから彼女の腰を優しく抱え、密室への階段を昇って行った。
 「随分震えているけど、大丈夫だからね」
 「うん・・・こんな処は初めてなので怖かったの」
 「じゃあここでジュースでも飲めば落ち着くと思うよ」
 征男はベッド脇に置かれているミニ応接セットの椅子に浩美を座らせ、冷蔵庫からジュースを出してグラスに注ぎ、
 「乾杯しようか?」
 「何に?」
 「浩美と僕の今後のためにだよ」
 「はい、では」
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