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渇いた人妻たち
第7章 偶然の快楽
 征男が専務夫人の明美とただならぬ関係となった二日後、勤務を終え帰宅するべく駐車場に向っている時であった。
 「おはようございます、先日は有難うございました」
 背後から声を掛けてきたのは正装した梨花だった。
 「おはよう、何処かにお出かけ?」
 「はいちよっと文化会館まで」
 「電車で行くの?」
 「はい次の電車で行く予定なの」
 「一人で?」
 「そう書道の展示を見に行くの」
 「急いで行かなければいけないの?」
 「そうでもないけど?」
 「良い事思いついたよ、切符は次の駅までにしてそこで降りないか?」
 「どうしてなの?」
 「僕が先に行っているから、この車で会館まで送ってあげるよ」
 「どうしようかしら?」
 「遠慮しなくて良いよ、どうせ帰りと同じ方向だから」
 「じゃあそうするわ、次の駅で降りるわ」
 「僕の方が早いと想うけど、若し遅れても必ず行くから待っていてね」
 「はい宜しくお願いします」
 「では後ほど」
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