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渇いた人妻たち
第7章 偶然の快楽
 「ダンスの練習なんかもできるの?」
 「BGMが有るので大丈夫だよ」
 「行ってみたいような気もするし・・・考えてしまうわ」
 征男の強引とも言える誘いに対し、梨花は本当に悩んでいるのか、眼を閉じて俯き小さく[ウーン]と声を出し、考えを巡らせているようであった。
 その時征男は、後一押しで彼女は自分の申し出を了承してくれる自信が湧き、その反応を見ようと、左手を伸ばして太腿に置いていた彼女の右手の甲にそっと重ねてみた。
梨花にはその手を拒絶するような素振はみられなかった。
 梨花は征男の柔らかな手が重なってきたので、自分のその手を裏返して、優しく握り返したのだが、そのとき、先日のカラオケの時の高まりが頭を過ぎり、下腹部が痺れたようにジーンと熱くなり、握られるだけでこんな気持ちにさせてくれる、柔らかくて優しそうな征男の手の魔術みたいなものに掛かり、その手に空いている自分の左手を、上から被せてウットリとなり、この手で優しく愛撫されるとどんなに良くなるんだろうかと好奇心も沸き、このあとの自分の行動をコントロールする機能が完全に麻痺してしまい、この人の言うことだったら、何でも聞き入れてあげようと思うまでになっていた。
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