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−紅の雫−
第1章 −勝利の影で−
「…あの…あの?…死んだんじゃないですよね?」
若い男の声で
少しづつ意識を取り戻した。
ピクリと動かした指先に
男は安堵したのか
しゃがみこんだ。
「…良かった…生きてる。貴方はアレンさんでしょ?」
直ぐそこで話しているのだろうが
相変わらず重い瞼は
なかなか開いてくれなかった。
返事を返す気力もない。
「…僕は…ウィル。この国の騎士団です。」
(…この国の……騎士団……)
そうか……
私は今……繋がれていたのですね。
意識は取り戻したものの
今の状況を把握するには
暫くの時間を要した。
(…敵国の…騎士団…まだ私を……)
殴られ続けた痛みをも思い出し
身体が勝手に硬直する。
強張った顔に
パリッとした感覚がして
血が固まっていた事を知った。
「…大丈夫。僕は何もしない。」
ウィルの優しい声がしたが
そんな言葉は到底信用出来なかった。
「……殺…せばいい。私はもう…何の抵抗も…」
声を出すだけで
全身に痛みが走る。
全てを話す前に
言葉を飲み込んだ。
若い男の声で
少しづつ意識を取り戻した。
ピクリと動かした指先に
男は安堵したのか
しゃがみこんだ。
「…良かった…生きてる。貴方はアレンさんでしょ?」
直ぐそこで話しているのだろうが
相変わらず重い瞼は
なかなか開いてくれなかった。
返事を返す気力もない。
「…僕は…ウィル。この国の騎士団です。」
(…この国の……騎士団……)
そうか……
私は今……繋がれていたのですね。
意識は取り戻したものの
今の状況を把握するには
暫くの時間を要した。
(…敵国の…騎士団…まだ私を……)
殴られ続けた痛みをも思い出し
身体が勝手に硬直する。
強張った顔に
パリッとした感覚がして
血が固まっていた事を知った。
「…大丈夫。僕は何もしない。」
ウィルの優しい声がしたが
そんな言葉は到底信用出来なかった。
「……殺…せばいい。私はもう…何の抵抗も…」
声を出すだけで
全身に痛みが走る。
全てを話す前に
言葉を飲み込んだ。