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−紅の雫−
第1章 −勝利の影で−
「…殺されても…構いません。いっそ貫かれた方が……その方が…楽になれる。」
そう言ったウィルの瞳が
心なしか潤んだ様に思えた。
「…何をそんなに…苦しんでいるのですか?」
向けられた短剣の先が
ウィルの首筋に這わせられる。
スーッと撫でるだけで
細い真紅の筋が出来た。
痛みはない。
筋の下に血液が溜る。
ウィルが言葉を発したと同時に
その雫が流れ落ちた。
「……好きです。愛しています。身悶える程に…貴方を…………。」
カシャンッ…
と乾いた音がして
アレンの手から短剣が落とされた。
「……な……何を仰っているのですか??」
上手く状況が呑み込めず
アレンの表情が強張る。
「……ずっと好きでした。僕は……男しか…愛せません。だから…シエルの騎士団になって…貴方を…全てを守りたかっ………」
言葉はそこで途切れた。
閉ざされた夢と愛は
ウィルの何かを狂わせていた。
「………僕を………殺して………」
そう言ったウィルの口元は
言葉とは裏腹に
楽しげにつり上がっていた。
そう言ったウィルの瞳が
心なしか潤んだ様に思えた。
「…何をそんなに…苦しんでいるのですか?」
向けられた短剣の先が
ウィルの首筋に這わせられる。
スーッと撫でるだけで
細い真紅の筋が出来た。
痛みはない。
筋の下に血液が溜る。
ウィルが言葉を発したと同時に
その雫が流れ落ちた。
「……好きです。愛しています。身悶える程に…貴方を…………。」
カシャンッ…
と乾いた音がして
アレンの手から短剣が落とされた。
「……な……何を仰っているのですか??」
上手く状況が呑み込めず
アレンの表情が強張る。
「……ずっと好きでした。僕は……男しか…愛せません。だから…シエルの騎士団になって…貴方を…全てを守りたかっ………」
言葉はそこで途切れた。
閉ざされた夢と愛は
ウィルの何かを狂わせていた。
「………僕を………殺して………」
そう言ったウィルの口元は
言葉とは裏腹に
楽しげにつり上がっていた。