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向日葵
第11章 想い愛
 最期に抱擁を交わし、貴女のお腹に触れ、生まれ来る命に祝福の言葉を送る。

 「これからね、君の誕生を待っている人が沢山居るよ。
みんなが君に無償の愛を授けてくれる。
勿論、君を私も愛してる」


 「……有難う。すみれ。
すみれと愛し合った日々は永遠だからね!
嘘も偽りも微塵もない真っ正直な想いだったよ。
愛してる。
永遠にね」

 「葉月…」

 「でも、私の言葉に縛られないで!
すみれには幸せになって欲しいから、私より好きな人が出来たら、真っ直ぐ飛び込みなさい!
あなたを分かってくれて、心から愛してくれる人は必ず居るから。
 ーーあなたを好きにならずにはいられない人が居るーー

 すみれ、絶対陽だまりを見つけるのよ!」


 「葉月はそんな心配しなくていいの!
いいんだから…」


 愛しい人をギュッと抱きしめた。
最期に愛しい貴女の唇にサヨナラのキスを落とす。

 いつまでも、この感触を忘れない。


 「ねぇ、すみれ…
また、小説を書いてね。
私はすみれの描く世界が好きよ。
例え、離れ離れになっても、また惹き寄せられて辿り着く。
愛しいあなたを見つけて繋がるのよ」


 「うん」

 「約束よ!
すみれの物語で私に夢を与え続けて!」

 「分かったよ。約束する」


 指切りをして、貴女は私の前から笑顔のまま消えていった。

 貴女が居なくなった部屋。
一人になると、また涙は溢れ出し、声を殺して泣いていた。
泣き止むまでの時間は必要だった。

 立ち上がり、前を向こうと奮起させてくれたのは、貴女が私に残してくれた想い出と希望。


  ーー針千本飲まされたらかなわないもんーー





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