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龍、人生の絆
第9章 それぞれの過去
三日…

龍は一睡もせずに

佐知子の手を握り励まし続けた。

三日目に佐知子は深い眠りに付く。

四日目の朝…

佐知子の体から薬がかなり抜けて…

佐知子が目を覚ますと

そこは知らない部屋だった。

「私…ここはどこ?」

横を向くと自分の手を握り締めて

眠りについている龍がいた。

「誰?この人…」

やがて目を覚ました龍が

佐知子の手を握り直し

「良く頑張ったね。もう大丈夫…」

「あなた…誰?」

「私は龍と言う者だ。」

「私を…
励ましてくれていたの?
薬からの禁断症状から…」

「そうだよ。よく頑張った。」

「… … …」

「どうした?」

「余計な事を…」

佐知子は素直になれなかった。

今までの大人は

全て自分を騙し続けた。

おかげで今は薬なしでは

生きていられない。

でも…

この人は、私の傍に

ずっと付いていてくれた?

何故…?
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