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龍、人生の絆
第9章 それぞれの過去
「まずは試しに
明日、俺と一緒に
会社に行ってみないか?
それでも自分が
出来ないと分れば
辞めたら良い。」

「仕方ないか。
ここにいても暇だし。」

次の日、龍と佐知子は会社に行った。

どうせ相手にされないだろうと

思っていた佐知子はワザと

意地悪く振舞った。

ところが…

同じ境遇の社員がわっと集まってきて

「佐知子ちゃん、
もうヤク抜けたの?
残っていても大丈夫だよ。
皆、昔ヤクをやっていて
今では普通に
生活出来るんだから…」

ヤンヤヤンヤと周りが騒ぐ。

やれお茶しようだの、

やれご飯一緒に食べようだの…

佐知子は煩くて仕方がなかった。

が、意地悪や半端な

同情でないのは分かった。


それ以上に自分が知っている売人の

名前がぽんぽんと出てくるのには

流石に驚いた。

「本当にこの子達は
ヤクをやっていたんだ…」

そう思う様になった。
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