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龍、人生の絆
第9章 それぞれの過去
一方、禁断症状から
秘書課の仲間の助けを
借りて脱出した結花は
自分の心臓欠陥がある事を
知って落胆していた。
「秘書になりたい…」
優子に憧れて龍の会社に入ってきたが
実際には配属先は経理…
結花は不満だった。
自分の心臓が原因で
夢が叶わない…
行動力が人並み以上の結花は
考えた末、この会社のトップ、
つまり龍を落とせば
秘書になれると考え行動に出た。
ま、単的に上手くいく事はなかったが…
何をしたかと言うと…
龍を襲ったのである。
週末、龍が自宅で寛いでいると
「ピンポーン…」
「誰かな?」
龍はドアを開けた。
そこには結花が立っていた。
「どうした?」
「龍さん、私を抱いて…」
「はぁ?…」
「私を抱いて下さい…」
「結花!何を言ってるんだ?」
「良いから抱いてよ!」
「ちょっとまてぃ!」
「結花には魅力ない?」
「いやいや…
そういう問題ではなくて…」
結花は目に一杯涙を浮かべて尋ねた。
「とにかく入りなさい…」
結花を自宅に入れてソファーに座らせた。
「龍さん、私を抱いて下さい…」
「結花、何があったの?」
「… … …」
「言えないなら抱けないな…」
「どうしても結花を
抱いてくれないの?」
「理由を話せ。
結花はそんな事を
軽はずみでする子では
ないはずだが…」