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龍、人生の絆
第9章 それぞれの過去

「バチンっ!!!!!」

龍は結花の頬を

思いっきり引っ叩いた。

「い、痛い!」

「馬鹿者!!
やっと薬物から癒えて
体が弱くても
ちゃんとした職場があって
それでもお前は不満なのか?
そんな気持ちで
例え秘書になったって
ろくな仕事も出来ないし
彼氏にも振られるわ!

結花!俺が結花を
どんな気持ちで
薬物地獄から
救ったと思っているんだ。

お前の事を心配して
庶務の佐知子や優子君が
どれだけお前の為に
涙を流したと思っている。

良いか?
優子君は結花をどうしても
秘書課に入れたくて
あちこち奔走していたんだぞ!
俺のところにも来て
土下座までしてくれたんだぞ。

責任もって結花を守ると…
守れなかったら自分は
責任取って辞職するまで
言ってくれたんだ。
それを俺が結花が可愛くて
無理やり経理に配属させたんだ。

お前が目指す
秘書という仕事…
優子君の姿は
結花には見えなかったらしいな。」

「そ、そんな…」

結花は呆然となった。

何と言う事…

あの優子さんが

自分の為に…

あちこち手を回してくれて…

龍さんにも土下座までして…

自分の進退までかけて…

皆自分の心配をしてくれたのに…

それなのに自分は?

ただ、秘書になりたい…

それも彼に嫌われない為に…

馬鹿だ。

自分は大馬鹿だ!
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