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龍、人生の絆
第9章 それぞれの過去
「龍さん、
私…どうしたら?」
「結花…
お前、本当に優子君に
憧れているのか?」
「勿論です。
彼氏の事は差し引いても
やはり憧れです。」
「秘書と言う仕事は辛いぞ?」
「覚悟は出来ています。」
「そうか…
ところで結花、
彼氏が欲しいのか?」
「うん…」
結花は頷いた。
気持ちも分かる。
両親の愛を知らないで
施設で育ち世間に出たら
薬物の毒牙に掛かってしまった。
おまけにその後遺症で
心臓に欠陥がある。
そんな結花を救えるのは
やはり彼氏でしかないのか?
龍は考えた。
何とかして結花を立ち直らせたい。
戦力としては結花は
秘書に向いていた。
行動力はさることながら
判断力はずば抜けていたのだ。
「分かった…
なら一つ条件を出そう。
明日から秘書課に配属するが…
一日おきだ。
その間、紹介する心臓外科医へ通え。
必要なら手術もありだ。
治療費は会社が半分持ってやる。
直ったら分割で払えよ…
籍は明日から秘書課…
結花、まずは体を直せ。
それから本格的に秘書を目指せ。
良いな?」
「龍さん…
お金がなくて
体も直せなかった。
有難う御座います。
体を直して…
それから秘書を目指します。」
「うん…」