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龍、人生の絆
第9章 それぞれの過去
「それが対策なら
許可は出来んな。」
「何故です?」
「君がそれ以上無理して
倒れたら誰が代役するのかね?
まだまだ秘書課の戦力は
低いといって良いだろう。
若手が伸びないのは
優子君にも責任あるんだぞ?
穴を優子君がカバーするのは
認める訳にはいかない。」
「… … …」
優子は反論出来なかった。
龍に言われるのは当然で
まだまだ戦力的には低いのだ。
「対策を立てられなければ
補充をする。
それまで結花の
処遇については
考慮する必要がある。」
「誰が能力低いんだって?
何処に目を付けている?
おっさん?」
「ん?」
龍は入り口を見た。
そこには秘書課の三人が立っていた。
美香、ゆり、風化…
「これ…
貴方達!
口の利き方が
なっていないですよ。
それになんですか…
立ち聞きなんてお行儀悪い…」
優子が慌てて怒りつけた。
「主任は黙っていて…」
美香が口火を切った。
つかつかと龍の元へ歩み寄ると
龍の胸元を掴み
「龍さん、
確かに一人一人では
能力低いやんね?
でもな、三人集まれば…
主任のカバーは出来るよ。」
「出来ると言うのかね?」
龍は鋭い眼差しを美香達に向ける。
美香は
「出来るよ。
いや、しなけりゃならんのや。
結花の為にも…」
風化が口を出す。
「結花を秘書課から
外さないで欲しい。
結花が帰ってくる場所を
取り上げないで下さい。」
ゆりが頭を下げる。