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龍、人生の絆
第9章 それぞれの過去
「龍さん、お願いだから…
結花は…ここしか
帰る場所がないの…
お願いだから…」
「遊びでは出来ない事だぞ?」
「おっさん!
だから何処に
目を付けてるかって
聞いてるんや!?」
美香は黙って
龍の前に免状を差し出した。
そこには取得者の
名前は三人ばらばらだが確かに
各免状の最高位があった。
「龍さん、
私達だって
結花の事があってから
黙っていた訳ではないんです。
確かに一人では
主任の足元にも及びませんが
三人揃えば…」
風化が切り出した。
「師範免状か…う~む…」
龍は感心した様に免状を見つめた。
「お前達…
全く…心配させんなよ。」
龍は立ち上がり
「結論!!
結花の秘書課への転属は
決定します。
また結花が戻るまで
人員の補充はしません。
結花の給料待遇については
規定考慮の上支給し、
今回の治療費、養生費についても
会社が負担します。
なお、今後俺の帯同は
秘書課メンバーが
持ち回りとします。」
「お前達…
主任を助けてやってくれ。
結花が戻ってくるべき場所を守れ!
良いな…」
優子はその場で泣き崩れた。
「知らなかった…
この子達がここまで結花の事を
心配して陰で努力しているなんて…
私が知らない間に立派になって…」