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秘蜜〜蘭子の物語〜
第1章 秘蜜
自分の胸をムニムニと揉んでいるだけで蘭子の身体はスイッチが入ったように疼きだす。

「お父さんが帰ってくるまでまだ時間あるよね……」

蘭子はもう一度マッサージ機のスイッチを入れると、それをゆっくりクリトリスに押し当てた。その日、蘭子は父親の足音が近づくまでに三回エクスタシーに達するのだった。




蘭子が初めてセックスの経験をしたのは、中学三年の卒業式の日だ。

「お前って胸デカいよな」

卒業式の日に初めて話したクラスメイトの男子がその相手だった。

「そうかな?」

「うん。なんて言うか牛みてぇ」

そう馬鹿にしたように揶揄する男子生徒だったが、胸を見つめながら生唾を飲んだのを蘭子は見逃さなかった。

「触らせてあげようか? ……卒業記念に」

それまで地味に過ごしてきた蘭子には考えられないほど、大胆な誘いだった。顔面を真っ赤に染めた名前も覚えていない男子生徒の手を引くと、蘭子は誰もいない体育倉庫へと誘った。
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