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止められなかった…
第26章 双方の想い…
台所に2人並ぶ。

沈んでいた私は、隣に立ち、手伝っているつもりだろうが、ただその場を悪気無く荒らす峻くんに、少しずつ笑顔を取り戻していた。

玉ねぎを切って目を真っ赤にし、卵を割らせると殻ごとグチャグチャ。

『炒めてみる!』とヘラを渡せば、辺り一面に具材を飛ばし、『ケチャップ入れたい!』と手渡すと有り得ない量を絞り出す。

その一つ一つに私はツッコミ、『仕方ないなぁ~』と笑顔をこぼした。

私の笑顔を見て

“俺来て良かったでしょ?”

と穏やかな表情で呟く…

返事を返さない私に

“ゆなちゃん分かり易い(笑)”

と自問自答で会話を終わらせる。

やたらしょっぱいオムライス。

私達はあーだこーだ言いながらお茶と一緒に流しこんだ。

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