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第12章 訃報の後に

「理恵は、あの不動産も、現金も入り一躍富豪になったね、
それに、あの人の退職金もその内に、役所から連絡が入る
と思うよ」

「そうね、でも、今の土地と建物は、結婚してまだ２年あ
まりなので、登記が出来て無いと思っていたのに、お父様
は几帳面な人なのだわ」

「理恵、今日は空いてるの？ 僕の新車に乗ったこと無い
だろ、ドライブしようか」

「私の車の横にあったあれね？ いいわ、乗ってみたいわ」

　勇次が会社から出て行ったあと、女子社員達は、今の人

は女優さんではないの？、綺麗な人ね、あんな素敵な人初

めて見たわ、社長と親しそうだし、恋人かしら？、それに、

社長が先日の休み明けから、右手に凄い指輪してるの知っ

てる？、彼女が乗って来た車も凄いよ、スーパーカーみた

いだよ、あれって高そうね、と口々に、初めて見た理恵の

噂をしていた。