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太陽の下で
第4章 上弦の月
それからどうやって、その場から立ち去ったのかわからない。

気づいた時には家にいて、僕は悔しくて、悲しくて、泣いたんだ。

大好きだった女の子が、実は自分が思うような子ではなかったこととか、そもそも僕は彼女のどこが好きだったのかとか、からかわれているのに僕の身体が興奮していたこととか、僕の毎日を彩っていたものが、明日からはもうないんだと言う寂しさとか、恥ずかしさとか、情けなさとか、それはもう次から次へと色んな感情が溢れて来た。

それなのにあの柔らかい感触を思い出して、そんな自分にうんざりしつつ、僕は泣きながら自分を慰めた。

それはそれは情けない気持ちになった。


この時から、僕は女の子と関わることをやめたんだ。

僕にはきっと女を見る目がないし、あんな時でも性欲を処理する自分の情けなさと言ったら、もう2度とごめんだった。

これ以上自分にうんざりしたくない。

異性を避けるようになって、あの嫌な思い出を忘れられずに過ごしているうちに、いつしか一生関わりたくないと思うようになっていた。

現在に至るまでに、その考え方はどんどん揺るぎないものとなる。

それなのにまた、高校生にからかわれるだなんて。

僕は大人になったのに、一体何をしてるんだろうか。

半分だけの月を見上げて、そんなことを思った。
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