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太陽の下で
第5章 十三夜
「清太郎くん久しぶりね。よくおばさんのこと思い出して連絡くれたわね。さぁ、寒いから中に入りましょう。」
挨拶もそこそこに中に入ると、連絡してからすぐに暖めてくれていたのだろう、室内は暖房が効いていた。
「さて、そこにかけてね。まずはお嬢さんの名前を教えてもらえるかしら?」
広野さんはやっぱり震えていて、答えられそうになくて、おばさんが僕の方を見たので、
「広野結花子さん、17歳です。」
遠慮がちに僕が答えた。
「ゆかこちゃん、清太郎くんには廊下に出ててもらって、おばさんと2人でも大丈夫かな?」
広野さんが頷いたのを確認して、僕は廊下で待つことにした。
この後どうするのがいいか考えなければ。
1人で廊下に座っているのも落ち着かなくて外に出ると、僕の姿が見えたのか友人が家から出てきてくれた。
「清太郎大丈夫か?お前の顔色も悪いな。」
「僕は大丈夫。こんな時間に申し訳ない。太一にもおばさんにも本当に感謝してる。」
「何か困ったらいつでも連絡しろよ。母さんじゃなくて俺が力になれることだってたまにはあるだろ。」
僕が被害にあったわけでもないけど、ボロボロの広野さんを見つけてから、気持ちがずっと張り詰めていたんだ。
不意にかけられた優しい言葉に、うっかり涙が溢れてしまいそうで頷くことしかできなかった。
ふと見上げると、満月には少し足りない月が、頼りなげに輝いていた。
挨拶もそこそこに中に入ると、連絡してからすぐに暖めてくれていたのだろう、室内は暖房が効いていた。
「さて、そこにかけてね。まずはお嬢さんの名前を教えてもらえるかしら?」
広野さんはやっぱり震えていて、答えられそうになくて、おばさんが僕の方を見たので、
「広野結花子さん、17歳です。」
遠慮がちに僕が答えた。
「ゆかこちゃん、清太郎くんには廊下に出ててもらって、おばさんと2人でも大丈夫かな?」
広野さんが頷いたのを確認して、僕は廊下で待つことにした。
この後どうするのがいいか考えなければ。
1人で廊下に座っているのも落ち着かなくて外に出ると、僕の姿が見えたのか友人が家から出てきてくれた。
「清太郎大丈夫か?お前の顔色も悪いな。」
「僕は大丈夫。こんな時間に申し訳ない。太一にもおばさんにも本当に感謝してる。」
「何か困ったらいつでも連絡しろよ。母さんじゃなくて俺が力になれることだってたまにはあるだろ。」
僕が被害にあったわけでもないけど、ボロボロの広野さんを見つけてから、気持ちがずっと張り詰めていたんだ。
不意にかけられた優しい言葉に、うっかり涙が溢れてしまいそうで頷くことしかできなかった。
ふと見上げると、満月には少し足りない月が、頼りなげに輝いていた。