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太陽の下で
第2章 新月
僕は、出勤前に黒ぶちの眼鏡をかける。

本当は裸眼でも良く見えるのだけど、眼鏡は僕のお守りのようなものなんだ。

女嫌いだからって、全ての女性と関わらないわけにはいかない。

僕の仕事は予備校の先生なので、先生仲間はもちろん、生徒の中にも当然女の子が含まれる。

大人の女性も苦手だけど、高校生の女の子がもっとも苦手。

眼鏡をかけ、スイッチを入れ、心にバリアを張って仕事へ向かう。




授業を終えて、生徒を送り出し、今日も無事に終わろうとしていた。

残った仕事を終わらせると、いつも結構遅い時間になってしまう。

家に向かって歩き始めるとすぐに、コンビニの前の人影がこちらに向かって手を振っているのが見えた。

「小宮せんせー」

思いがけず大きな声で呼ばれていることにびっくりして、慌てて近づくと、そこにいたのは広野結花子と言う生徒だった。
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