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太陽の下で
第6章 小望月
タクシーを呼んで帰ろうとすると、太一が車を出してくれると言う。

ありがたい申し出だけど、僕も太一も男だから、大丈夫だろうかと広野さんを見たけれど、やっと生きていると言った感じで、遠くを見つめたまま視線が合わない。

タクシーだって、運転手のほとんどが男性なのだから同じかと思い、ありがたく乗せてもらうことにした。

「広野さん、とりあえず僕の家に行ってもいいですか?友だちの家とか、誰か頼れる人がいて、そこに行きたかったら送るので言ってください。」

遠い目をして、力なく首を振る。

「男の家に2人きりなんて嫌だと思いますけど、今日は我慢してくださいね。太一、僕の家にお願い。」

太一はバックミラー越しに頷くと、車を発進させた。

少しして僕の自宅に着く頃、広野さんは疲れ切った顔で眠っていた。

このまま寝かせてあげたいけどそうもいかない。

そっと声をかけるけど起きないので、トントンと身体をたたくと、途端に叫び声と共に身体を震わせてしまった。

過呼吸だろうか、以前、他の先生の受け持ちの女の子で授業中に過呼吸を起こして倒れた子がいて、知識としては知っているんだけど、目の前で過呼吸に苦しむ人を見るのは初めてだ。

僕が申し訳なさと、彼女の心の傷の深さに、どうしたらいいかわからず呆然としていると、
「ゆかこちゃん、清太郎は大丈夫だよ。清太郎なら助けてくれると思って声をかけたんだろう?きっと力になってくれるよ。大丈夫だよ落ち着いて。ゆっくり息を吐いて、そう、吐くことだけ意識して。酸素を吸い過ぎて苦しくなるんだ。吸いすぎた酸素を外に出そうな。」
太一がそうやってなだめてくれた。

震えと呼吸が落ち着いた彼女を、僕の部屋まで連れて行って、太一に感謝を伝えて別れた。
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