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太陽の下で
第6章 小望月
声をかけようか迷った。

僕に気にされると、広野さんが気を使うのではないかと思い、少しの間、彼女から漏れる小さな嗚咽を聞いていた。

僕の家はワンルームの小さなマンションで、ソファーもベッドも同じ空間にあるから、お互いの距離が近い。

「広野さん、どこか身体で痛むところはありますか?」

暗闇の中で首を横に振ったのがわかる。

「何か僕にしてほしいことはありませんか?力になれることがあれば言ってくださいね。」

何か言いたそうだけど、涙が邪魔して言葉にならないようだ。

「広野さん、腫れている頰と目を冷やしましょうか。」

冷凍庫からアイスノンを取り出して、タオルを巻く。

「そちらに行きますよ」

なるべく静かな声のトーンを意識する。

驚かさないように、怖がらせないように。

ベッドの横に腰を下ろして、腫れた頰にアイスノンを乗せた。

「眠れないなら、何かお話しましょうか。」

「手を……さい。」

「ん?なんですか?」

「繋いでいてください。」

ベッドから伸びた右手を、握手をするように僕の右手で握った。

コンビニの前で僕を掴んだ手はあんなに冷たかったのに、今はちゃんと体温が戻っていて、彼女の命を感じた。
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