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太陽の下で
第6章 小望月
弱っている彼女に何かしてあげたくて、空いている左手で頭を撫でる。

小さな頃に、こんな風にされて眠りについたのを思い出しながら。

「辛い時間を頑張って耐えましたね。逃げてきて、ちゃんと助けを求めて、偉かったですよ。生きていてくれてありがとう。」

ぐすぐすと泣いていた広野さんだったけど、少ししてやっと眠りについたようだった。

規則的な胸の動きと寝息に安堵する。

長い数日だったのだろう。

また起こしてしまっては可哀想なので、しばらくこのまま手を握っていよう。

目は腫れぼったく、頰は赤く、ひどくやつれた顔をしているけど、寝顔は小さな子どものようだった。

僕をからかった、あの大人びた広野さんは、もうどこにもいなくなってしまったんだろうか。

この子がまた笑えるようになるまで、どれほどの時が必要なのか、とても果てしない気持ちになった。


まともに女の人に触れたことも、付き合ったこともない僕のベッドに女の子が寝ていて、その子の未来を案じながら手を握る僕がいる。

今日も明日も明後日も、1人の単調な生活を送ることが当たり前だと思っていたのに、昨日までの僕には想像もできないほど、この弱った女の子の力になりたいと強く願った。
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