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太陽の下で
第3章 三日月
「せんせーは彼女いないの?」

「いませんよ。」

「好きな人はいないの?」

「いませんよ。」

「もう、ちょっとくらい教えてくれたっていいのに!」

広野さんが頬を膨らませて言う。

「いえ、本当にいないですから。僕は女の人が苦手なんです。」

「今までに彼女がいたことはないの?」

「なかなか込み入ったことを聞きますねぇ。…彼女がいたこともないですよ。」

「え、じゃあせんせーは童貞なの?」

「そう言うことになりますね。」

「そうなんだ…」

「なんですか?かわいそうだなと思いました?それとも、25にもなって女性経験のない男は、女子高生から見たら軽蔑しますか?」

「そんなこと…なんだかいいなと思って。大切にしてる感じが。私にはそう言うのないから。」

別に大切にしてるわけではないんだけどな。

そう思ったけど口には出さなかった。

彼女の横顔がなんだか悲しそうに見えたから。
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