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太陽の下で
第3章 三日月
質問されてばかりなので、さほど興味があったわけではないけど、こちらからも聞いてみた。
「広野さんは彼のどんなところが好きなんですか?」
「え?どんなところ?…どんなところ…抱いてって言ったら抱いてくれるところかな。」
「優しいとか、面白いとか、顔が好きとかって言うのかと思ってました。」
「普通はきっとそうだよね。私、あんまり家にいたくなくて…彼は一人暮らしでいつでも泊めてくれるんだ。寂しい時は抱いてくれるし、だから付き合ってるの。セックスしてる間は気が紛れらから。」
すごく寂しそうに笑う横顔が、きちんと見られなかった。
女性経験のない僕にも、彼女の恋愛観がなんだか健全でない感じが伝わってきた。
「あーあ、家についちゃった。せんせーともっと話したかったのに残念!」
いつもの大人びた笑顔の彼女は、
「ねぇせんせい?キスもしたことないの?」
そう聞いてきた。
そして、僕が「キスもないですよ」と言うよりも先に、ふわっと近づいて口に柔らかいものがぶつかった。
「送ってくれたお礼。せんせいの歴史に、25歳でファーストキスって刻んでおいてよね。」
そう言って、にっこり笑いながら彼女は家の中に消えて行った。
微動だにできずにいる僕を置いて。
「広野さんは彼のどんなところが好きなんですか?」
「え?どんなところ?…どんなところ…抱いてって言ったら抱いてくれるところかな。」
「優しいとか、面白いとか、顔が好きとかって言うのかと思ってました。」
「普通はきっとそうだよね。私、あんまり家にいたくなくて…彼は一人暮らしでいつでも泊めてくれるんだ。寂しい時は抱いてくれるし、だから付き合ってるの。セックスしてる間は気が紛れらから。」
すごく寂しそうに笑う横顔が、きちんと見られなかった。
女性経験のない僕にも、彼女の恋愛観がなんだか健全でない感じが伝わってきた。
「あーあ、家についちゃった。せんせーともっと話したかったのに残念!」
いつもの大人びた笑顔の彼女は、
「ねぇせんせい?キスもしたことないの?」
そう聞いてきた。
そして、僕が「キスもないですよ」と言うよりも先に、ふわっと近づいて口に柔らかいものがぶつかった。
「送ってくれたお礼。せんせいの歴史に、25歳でファーストキスって刻んでおいてよね。」
そう言って、にっこり笑いながら彼女は家の中に消えて行った。
微動だにできずにいる僕を置いて。