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濡れて溺れて
第1章 濡れて溺れて
 通常、一度萎えたら復活までには時間がかかるものだと聞いていたが……これは頼もしい。
 水沢が新庄の肩を抱き、彼女の奥深くまで逸物をさし込めば、腕の中からくぐもった呻き声のようなものが聞こえる。否応なしに女の部分を押し広げられ、痛みと快感の狭間で彼女は喘いでいた。浅瀬で縦に円を描くように彼女の蜜壷を掻き回せば、擽ったさにも似た快感を覚えて身を捩る。やがて、水沢が自身を上下させ、引き返しては深く、また引き返しては奥底へ、ゆっくりと動かしてやると、新庄は「もっと」と掠れた声で呟いた。
 月明かりで仄白く浮かび上がる彼女の肢体は勿論、汗でパラパラと散らばった前髪のひとつひとつにも色香を感じる。毎度、挿入時に痛がる新庄を気遣って、彼女が激しいプレイを望んでも初めのうちは優しくしていた水沢だったが、今日は我慢がならなかった。新庄を掻き抱き、水沢は浅く素早く腰を打ちつける。新庄の好きなところを熟知していた彼は、喘ぎ声が段階を踏んで高くなり、秀麗な顔が歪んで限界を報せ始めた頃、彼女をベッドに縫いつけるように再び奥を強く貫いた。

「ああ……っ!」

 新庄の熟れた唇の合間から嬌声が上がった。そっと肉棒を引いて接続部を見ると、掻き出された愛液が葛湯のようにとろりとしていて、水沢はゴクリと喉を鳴らした。
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