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薔薇色の鎖
第1章 囚われる
「さて、もう夜も遅いし帰る?
それとももうちょっと散歩してから帰る?」
彼がそう言って、優しく私の髪の毛を撫でた。
ああ、なんか気持ちいい・・・彼の指の心地よさが伝わってふわふわした気持ちになる。
特殊な魔法で何かの暗示をかけられている・・・なんかそんな気分になってしまう。
私が視線をあげて彼を見上げると、優しい表情とは裏腹の眼鏡の奥の切れ長の冷たい視線に射抜かれる。
囚われてはダメ・・・私の中の誰かがそういっているのが聞こえた気がした。
それでも、私はその冷たい視線から自分の視線を逸らすことができない。
やがて髪の毛を撫でる手が止まり、その手が私の頬にそえられて親指で唇を愛撫する。
「それとも・・・」
彼は唇を親指で愛撫したまま、怪しい表情で笑って言った。
「僕の部屋に来る?」
どうかしている、って頭ではわかっていた。
出会って一週間も経ってない、今日で会うのは二度目。
名前と年齢以外、何も知らない人。
そして、その名前と年齢も嘘だっていう可能性もある。
この前私を襲った男よりも怖い犯罪者の可能性だってある・・・ただ若い子に興味があるだけの冷徹な男かもしれない。
でも私はなぜかそれでもいいと思ってしまっていた。
一瞬でもいい・・・この人に自分だけを見て欲しい・・・
そして私はずっと愛撫されていた唇を開き、彼に一言だけ伝える。
「帰りたくない・・・」
それとももうちょっと散歩してから帰る?」
彼がそう言って、優しく私の髪の毛を撫でた。
ああ、なんか気持ちいい・・・彼の指の心地よさが伝わってふわふわした気持ちになる。
特殊な魔法で何かの暗示をかけられている・・・なんかそんな気分になってしまう。
私が視線をあげて彼を見上げると、優しい表情とは裏腹の眼鏡の奥の切れ長の冷たい視線に射抜かれる。
囚われてはダメ・・・私の中の誰かがそういっているのが聞こえた気がした。
それでも、私はその冷たい視線から自分の視線を逸らすことができない。
やがて髪の毛を撫でる手が止まり、その手が私の頬にそえられて親指で唇を愛撫する。
「それとも・・・」
彼は唇を親指で愛撫したまま、怪しい表情で笑って言った。
「僕の部屋に来る?」
どうかしている、って頭ではわかっていた。
出会って一週間も経ってない、今日で会うのは二度目。
名前と年齢以外、何も知らない人。
そして、その名前と年齢も嘘だっていう可能性もある。
この前私を襲った男よりも怖い犯罪者の可能性だってある・・・ただ若い子に興味があるだけの冷徹な男かもしれない。
でも私はなぜかそれでもいいと思ってしまっていた。
一瞬でもいい・・・この人に自分だけを見て欲しい・・・
そして私はずっと愛撫されていた唇を開き、彼に一言だけ伝える。
「帰りたくない・・・」