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薔薇色の鎖
第1章 囚われる
「聡さん・・・は・・・、彼女さんとか奥さんとかは・・・いない人ですか?」

私が気まずそうに私が聞くと、彼は一瞬驚いた顔をして噴出して笑う。

「さすがに彼女とか奥さんがいたら、こんな年下の女の子連れ込んでその日のうちにセックスするとかダメでしょう。
といっても、僕いままで彼女さえもいたことないんだから奥さんなんて更にいるわけないよ。」

彼はさらっと、今すごいことを普段の天気を話すような口調で言った。

「え!?付き合ったこととかないってそれはその・・・」

私が思わず言うと、彼はちょっと長めの前髪をかきあげながら言う。

「彼女は作らないし結婚もする気もないんだよね。
だって、僕は愛とか恋とかそういう感情ってどうしても解らないから。
セックスしておいてこんな事言う男ってひどいよね・・・ごめん。
でも愛しいとか好きって感情は解らないけれど、セックスはしたいって思ってしまうんだ・・・」

そう言って彼は、眼鏡の奥の冷たい瞳で私を見つめる。

愛とか恋とかわからない・・・けどセックスはしたい。

その主張が、とても最低最悪な自分勝手な男っていうのは頭ではわかっていたけれど、なんかその考え方が逆に本能に忠実すぎる純粋な考え方と思ってしまった。

それと同時に、そんな風に思うようになってしまった彼の事やこれからの彼をどうしても見たい・・・そんな欲に駆られてしまう。

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