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薔薇色の鎖
第1章 囚われる
「あ・・・ありがとうございました・・・
ご迷惑をおかけして・・・本当にごめんなさい・・・」

私はそういい、彼に深々と頭を下げ謝罪する。

結局彼は警察を呼び、男は前科がある模様でこうやって二人とも警察に連行されて事情聴取を受けて今開放されたところだった。

「いいよ、あのままだったら君どうなっていたかわからないんだし。
そんなに謝らないで大丈夫だよ」

彼はそういって、優しく微笑んでくれた。

「あっ・・・すいません動揺していて自己紹介もしていませんでした・・・
私、大崎玲奈っていいます。
近くの短大に通っていて・・・本当に危ないところを助けていただきありがとうございました!」

私がそういうと、彼は少し驚いた顔をして言った。

「あ、短大生だったんだ。
もう少し下に見えてしまった・・・ごめんね。
僕は葛城聡。
この近所に住んでいる、いたって普通の会社員だよ。
まさかこんな近所であんな事件に遭遇するなんて、ちょっと驚いたけど思ったけど警察官に褒められて少しだけドキドキしてしまったよ。」

あたしそんなに子供っぽかったかな・・・確かにジーンズにパーカーっていうお洒落とは言いがたい格好だったから余計だったのかもしれない。

聡さんはとても素敵な大人の男性で、そんな年上の人と関わる事なんてないから私はずっとドキドキしっぱなしだった。
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