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薔薇色の鎖
第2章 飼われる
翌朝、目を覚ますともう聡さんは隣にいなかった。

キッチンには美味しそうな朝ご飯が用意されていた。

やっぱり完璧すぎて、私は聡さんの心の隙間に入れないかもしれないなぁと悲しくなる。

自分の中でも、段々解らなくなっていた。

恋するってどういう事なのか、愛するってどういう事なのか。

この関係は身体だけの関係なんだろうか・・・それとも聡さんは私を少しでも愛してくれているのだろうか。

考えれば考えるほど、ますます解らなくなった。

そして時間はあっという間にすぎていき、約束の旅行にいく日程になった。

正直、期待はしていなかった。

だって、聡さんはほとんど毎日終電近くでかえってきていて、私なんかと旅行にいく暇なんてとてもじゃないけどないと思っていたからだ。

でも出発する前日の金曜に、珍しく聡さんは定時でかえってきたのだ。

「いやぁ、いままで残業してがんばってきた甲斐があったよ。
引き留める上司を振り切って帰ってきちゃった。
玲奈と旅行にいきたいが為に僕死ぬ気で仕事終わらせたよ・・・」

そう帰るなり玄関で聡さんは私を抱きしめながら、そう言って子供のようにはしゃいでいた。

私のためにそんなにがんばってくれたの?・・・そう思ったら知らないうちに涙がこぼれていた。

「玲奈・・・?どうしたの?僕が帰ってこなくてそんなに寂しかった?」

そう言って心配そうに、彼は私の瞳からこぼれる涙をその指でゆっくりとはらう。
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