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immorality ~哀戦士編~
第4章 妻の背徳行為 ~驚天動地~
安部は覚悟を決め、大きく深呼吸をした。

その時だった!
「じつは奥さん、吉報があるんですよ」
小木曽の言葉で、安部の体が止まる
”なっ、なんだよっ”
タイミングを逸し、再び二人の会話に、耳を傾ける安部
「吉報ってなんですか?」
「本当は、秘密なんですがね…誰にも言わないで下さいよ」
「あっ、はい」
「じつは来週、また人事異動があります」
「えっ、またですか?」
「今、部長補佐のポストが空いてるんで、ご主人を推薦したんですよ」
”なにっ!”
驚く安部
「えっ!ホントですか?」
喜ぶ涼子の声
「任せて下さい。開発部の人事権は、私にありますから」
「部長さんって、ホント凄いんですね」
「まあね…補佐になれば給料は、部長だった時とほぼ同じになります」
「ホントですか?」
「ええ、そうすれば、娘さんの大学受験も安心でしょ」
「はいっ助かります」
”涼子は、そのために小木曽と逢ってるのか?”
安部は、複雑な心境だった。
...
喜ぶ涼子に、小木曽の体が近づく
「くふふっ…奥さんに喜んでもらえて、私も嬉しいですよ」
「きゃっ!もう…部長さんったら」
”何してる!小木曽”
ベンチの背もたれの下から、二人を見る安部
小木曽の左手が、妻の尻を撫でていた。

安部の心に、怒りの感情が沸き起こる。
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