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淫欲の果てに。人妻・怜香32歳の記録
第5章 青黒い部屋 淫蕩の血
奥深くを塞ぐように耳をまさぐられると、一気に視界がぼやけ、ずくん…と、下半身に電流が走った。

「?!……う…」
まさか、耳が、こんなに感じるなんて思いもしなかった。頭の奥がぼーっとする。首筋と耳奥をまさぐられただけで、全身が熱に包まれ、現実感がなくなっていく。だが引き戻すように、太股を行き来し続ける冬木の手が、ここが現実であることを示す。
戸惑う隙もない。こんなことをされて、抵抗しようという気にすらならないなんて。何も考えられない、もう、戻れない…

いつの間にか、冬木が持ってきたもの。それは、麻の色をした縄だった。

「無理だと思ったら、言って。」
「な…?!そ、そんな、私…」
「乱暴にはしない。」
「え…?う…」
「嫌?嫌だったら、しない。大丈夫、無理だと思ったら、すぐにやめるから。」
下を向いたまま、首を縦に振る、自分がいた。

「脱いで。ストッキングを。」
「……。」
惑いながらも、ストッキングを下ろす。

「これも、取ろうか。」
服の上から、指が1本、背中に触れる。
背後からの指示通り、ブラウスを脱ぎそっとホックを外すと、胸が露わになる。恥ずかしいのに、身体が熱い。

「後ろで、両手を組んで。」
両手を後ろ手にすると、両手首に縄を通される。縄が素肌に触れる、初めての感覚。
慣れた手つきで冬木が縛っていくと、両手首は動かせなくなった。背後から、乳房を挟むように下、上と縄を通され、上半身をまったく動かせなくなる。
縄の圧迫による息苦しさと、身動きがとれない恐怖から焦りを感じる。自分の中の余裕がどんどんなくなっていき、追い詰められるような感覚に陥る。

縄で圧迫された乳房の先端でそそり立つ乳首に気づき、羞恥心がこみ上げる。剝き出しの乳頭が卑猥に強調され、いつもより赤黒く変色しているように見える…。
上半身を縛り上げると、冬木は背後の扉から部屋の外へ消えてしまった。
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