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淫欲の果てに。人妻・怜香32歳の記録
第5章 青黒い部屋 淫蕩の血
突然、機械が止まり、上半身の縄を解かれる。
「っ……」
縄の表面が、身体の上を這うように、解けてゆく。最後の一筋まで、肌に絡みつきながら、離れてゆく。縛られていた痕跡を決して忘れるな、とでも言いたげに。
全ての縄を解かれると、そのまま後ろへ倒れ込んでしまった。縄が残していった余韻が全身に広がり、支配されていくような感覚になる。
身体が腕が自由になったのに、上半身が惚けてほとんど動かせない。目尻に涙を溜めたまま、ただ荒い呼吸が続く。
まるで感情のないような目で、私を見下ろす男性。下半身を濡らし横たわる女を、軽蔑するでもなく愛でるでもなく哀れむでもない、灰色がかった無機質の瞳で貫く男性。
冬木様の前で、私は、とてつもなくちっぽけな存在になった。
刺激を与えられ、性感反応を示すだけの雌。床に転がった私は人間以下の、ただの木偶の坊だった。
虐げられるように刺激を与えられることで、生きていられる雌。冬木様に命を与えられ、冬木様の風向きひとつで生かされもするし、殺されもする。消えかけの、無力で不安定な存在。
乾燥した草のような匂いが鼻につく。それは私の身体から放たれる、麻縄の香りだった。絡みついた何本もの麻縄は、縄跡だけでなく匂いまでも身体へと残していった。
独特な匂いが、脳髄に刻み込まれていく。
後ろから肩を掴まれ、軽く揉むように刺激される。緊張した上半身が少しずつほぐされる。
「はぁ…っ」
拘束から解かれ、肌に触れられた瞬間。今まで感じたことのないような皮膚感覚に襲われる。今までとは異なる身体に変化してしまったように。
その手は次第に乳房へと伸び、薄紅色の先端を包むように両手で揉みしだかれる。
「うっ…うぅっ…」
敏感になりきった身体は、乳房への刺激でドロドロと溶けていくようだった。自分のものではないようになった乳房へ目をやると、また硬さを増し、私の中の淫乱を象徴するようにそそり立っている。
「っ……」
縄の表面が、身体の上を這うように、解けてゆく。最後の一筋まで、肌に絡みつきながら、離れてゆく。縛られていた痕跡を決して忘れるな、とでも言いたげに。
全ての縄を解かれると、そのまま後ろへ倒れ込んでしまった。縄が残していった余韻が全身に広がり、支配されていくような感覚になる。
身体が腕が自由になったのに、上半身が惚けてほとんど動かせない。目尻に涙を溜めたまま、ただ荒い呼吸が続く。
まるで感情のないような目で、私を見下ろす男性。下半身を濡らし横たわる女を、軽蔑するでもなく愛でるでもなく哀れむでもない、灰色がかった無機質の瞳で貫く男性。
冬木様の前で、私は、とてつもなくちっぽけな存在になった。
刺激を与えられ、性感反応を示すだけの雌。床に転がった私は人間以下の、ただの木偶の坊だった。
虐げられるように刺激を与えられることで、生きていられる雌。冬木様に命を与えられ、冬木様の風向きひとつで生かされもするし、殺されもする。消えかけの、無力で不安定な存在。
乾燥した草のような匂いが鼻につく。それは私の身体から放たれる、麻縄の香りだった。絡みついた何本もの麻縄は、縄跡だけでなく匂いまでも身体へと残していった。
独特な匂いが、脳髄に刻み込まれていく。
後ろから肩を掴まれ、軽く揉むように刺激される。緊張した上半身が少しずつほぐされる。
「はぁ…っ」
拘束から解かれ、肌に触れられた瞬間。今まで感じたことのないような皮膚感覚に襲われる。今までとは異なる身体に変化してしまったように。
その手は次第に乳房へと伸び、薄紅色の先端を包むように両手で揉みしだかれる。
「うっ…うぅっ…」
敏感になりきった身体は、乳房への刺激でドロドロと溶けていくようだった。自分のものではないようになった乳房へ目をやると、また硬さを増し、私の中の淫乱を象徴するようにそそり立っている。