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淫欲の果てに。人妻・怜香32歳の記録
第6章 見知らぬ人間
いつも通りの、土曜日の午後。「早めに帰れることになったから、どこかへ行こう」というメッセージが休日出勤中の真仁から届き、連絡通り午後2時に真仁が帰宅した。

「ただいま。早く終われてよかったよ。ちょっと遠いけど、半年前にオープンしたショッピングモールに行きたくてさ。今度職場のやつらとゴルフ旅行に行くことになったから、ウエアやら何やらを買っておきたくてさ。」
「あそこだったら私も行ってみたかったのよね。でも車で40分くらいかかるよ。仕事帰りだし運転は疲れるでしょう?」
「全然大丈夫だよ。怜香と久しぶりにドライブしたいし、行こう。前からほしがってたキッチングッズやら何やらも買おう。」

仕事終わりで疲れているはずなのに、私とのドライブにウキウキしながら準備をはじめる真仁。胸が苦しい。笑顔で真仁と会話をしながら外出の支度をする自分は、卑しい生き物に見える。

「なぁ怜香、この青いやつと、黒いやつ、どっちがいいと思う?思いきってこっちのピンクでもいいかなぁ。」
楽しそうに新しいゴルフウエアを選ぶ真仁を見ていると、私はこの夫を絶対に失ってはいけないと思う。真仁と積み重ねてきた幸せな日々は私の血となり肉となり、私の心も体もこの人で形成されている。

「あまり持っていない色だから新鮮な感じがするし、青がいいと思う。あと、泊まるのだったらゴルフ旅行に使えるバッグも必要じゃない?」
「そうだな!バッグのことをすっかり忘れてた。とりあえずウエアは青にして、バッグも選ばないと。1人じゃ絶対買い忘れがあったから、助かるよ。」
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