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淫欲の果てに。人妻・怜香32歳の記録
第6章 見知らぬ人間
真仁の買い物が終わり、広いモール内を2人で歩く。
「ちょっとトイレ行ってくるから、その辺で待ってて。」
そう言われ、目についた音楽関連の専門店に入った。楽譜やCDをメインに、楽器など音楽に関連するものが置いてある。
仕事でピアノを弾いている。冬木は、そう話していた。
ピアノやクラシック関連のCDが並ぶ棚を、端から眺める。定番のクラシック名曲集から有名ピアニストのCDまで、様々なCDがある。しばらく見ていると、ある場所で目がとまった。
「Piano&Violinオムニバス」という藍色のシンプルなCDのタイトルの下には、「ピアノ 冬木如人」の文字が。まさか。下の名前は、何と読むんだろう。2月を意味する如月(きさらぎ)という字が入っている。
スマートフォンを取り出し、名前を入力する。検索結果に出てきたのは、昨晩の男性がピアノを弾く写真だった。
如人という名前は「ゆきと」と読むらしい。彼が、6日後に都内で開催される音楽フェスティバルに参加すると情報が出ている。
そのとき、店内に入ってくる真仁が見えた。CDを掴んだまま、奥の楽譜売場に移動する。
「ごめんごめん、トイレがけっこう遠くて、時間かかっちゃった。何、楽譜買うの?」
「…うん、久しぶりにピアノでも弾こうと思って。4年前に買った電子ピアノ、最近は全然使ってなくてホコリかぶってるじゃない。」
「めずらしいね、新しい曲に挑戦するなんて。」
「昔から弾いてみたかった曲が、まだ沢山あるのよ。」
「Piano&Violinオムニバス」のCDと、冬木如人が担当する曲の1つ、ショパンのノクターン第20番 「遺作」の楽譜を取り、レジで購入する。
「ちょっとトイレ行ってくるから、その辺で待ってて。」
そう言われ、目についた音楽関連の専門店に入った。楽譜やCDをメインに、楽器など音楽に関連するものが置いてある。
仕事でピアノを弾いている。冬木は、そう話していた。
ピアノやクラシック関連のCDが並ぶ棚を、端から眺める。定番のクラシック名曲集から有名ピアニストのCDまで、様々なCDがある。しばらく見ていると、ある場所で目がとまった。
「Piano&Violinオムニバス」という藍色のシンプルなCDのタイトルの下には、「ピアノ 冬木如人」の文字が。まさか。下の名前は、何と読むんだろう。2月を意味する如月(きさらぎ)という字が入っている。
スマートフォンを取り出し、名前を入力する。検索結果に出てきたのは、昨晩の男性がピアノを弾く写真だった。
如人という名前は「ゆきと」と読むらしい。彼が、6日後に都内で開催される音楽フェスティバルに参加すると情報が出ている。
そのとき、店内に入ってくる真仁が見えた。CDを掴んだまま、奥の楽譜売場に移動する。
「ごめんごめん、トイレがけっこう遠くて、時間かかっちゃった。何、楽譜買うの?」
「…うん、久しぶりにピアノでも弾こうと思って。4年前に買った電子ピアノ、最近は全然使ってなくてホコリかぶってるじゃない。」
「めずらしいね、新しい曲に挑戦するなんて。」
「昔から弾いてみたかった曲が、まだ沢山あるのよ。」
「Piano&Violinオムニバス」のCDと、冬木如人が担当する曲の1つ、ショパンのノクターン第20番 「遺作」の楽譜を取り、レジで購入する。