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淫欲の果てに。人妻・怜香32歳の記録
第7章 内側からの崩壊
6日後の土曜日、午後3時。
濃い紫色のブラウスにベージュのフレアスカートを履き、少し高いヒールの黒いパンプスに足を通して扉を開け、鍵をかける。電車で40分離れた街のコンサートホールに向かう。この時間なら、音楽フェスティバルの1曲目に間に合うだろう。

目的の駅が近づくと、ざわざわした不安が胸をよぎる。勝手にコンサートを見に行って、私はどうするつもりなのか。一体何をしているのだろう。外出してきたにもかかわらず、座席に座ったまま呆然とするうち、目的の駅名がアナウンスされた。

入場無料、全席自由の会場内は、ほとんどの座席が埋まっていた。後方に空いた席を見つけ、座る。
入り口で渡されたパンフレットを見ると、バイオリンやピアノ、声楽など全6曲の曲目が予定されている。4曲目に書かれた「ノクターン第20番 『遺作』  冬木如人」の文字が目に入ると、心臓が鳴った。拍手と共に、コンサートが、始まる。

1曲目はバイオリン、2曲目は声楽、3曲目はピアノ。
生の演奏を聴くなんて、何年ぶりだろう。学生の頃、サークルで定期演奏会を開いていたときのことを思い出した。あの頃はサークルの練習に勉強にアルバイトに、毎日が忙しくて新鮮で、いきいきとしていた。余計なことを考えることもなく、ただ目の前のことにがむしゃらに取り組み、夜は疲れ果ててすぐに眠り、前日の疲れなどすっかり忘れて朝を迎えた。

脇目もふらずに過ごしたあのときから約10年。今私は、当時の自分からは想像もつかない動機をもって、観客としてここに座っている。
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