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淫欲の果てに。人妻・怜香32歳の記録
第10章 中毒者の顔
3ヶ月ぶりに会う梨美は、忙しそうな割には相変わらずの陽気さで、同じ空間にいる人間にもその快活さが伝染し、自然と笑顔になれる。やっぱり、梨美に会うと気分が上向きになるからいい。
流行りの店には抵抗があるとか言いながらも、前回来たこの小洒落たカフェが2人共何となく気に入ったようで、土曜日、梨美の休憩時間に合わせて、ランチタイムにまたこの店を訪れた。

「この前はごめんね、先に帰っちゃって。」
「そんな、梨美は翌日仕事だったのに、あんなに付き合わせちゃったのは私だし。」
「本当よ。もういい大人が珍しくあんなに飲むんだもん。まあ、全然いいけど。たまには深酒も必要よね。けど、あの後は本当に大丈夫だった?あの、冬木って人…」
「うん、タクシーまで送ってもらって。何とか帰ったよ。しばらくお酒には気をつけないといけないよね、ほんとに。」
「何か、意外と元気そうね?」
「え?私が?」
「うん。生き生きして、余裕のある感じがする。この前まで、難しい哲学者みたいな顔して、鬱病に片足突っ込んでますみたいな発言していた女と、同じ人物とは思えないくらい。」
「そうかな。だけど私は、元からずっとこうだった気もするんだよね。」
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