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第10章 中毒者の顔

ハニージンジャエールを、また一口飲む。甘いハチミツとジンジャエールの辛さが混ざり合っていて、中々癖になる味だ。
甘さの濃いナポリタンを食べながら色々と話していると、あっという間に午後3時になった。もうすぐ梨美の休憩時間が終わる。

「まぁ、元気そうで安心したよ。怜香が幸せなら、よかった。真仁さんにもよろしくね。また連絡するから。」
会計を済ませ、職場へ戻る梨美を見送った。

途中、梨美は何かを言おうとしていたが、最後までそれを口に出すことはなかった。梨美が言おうとしていたこと。それはもしかしたら、あの日の夜のこと…冬木様のことだったのかもしれない。梨美は、冬木様とのことに、何か気づくものがあったのかもしれない。