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淫欲の果てに。人妻・怜香32歳の記録
第10章 中毒者の顔
バッグから文庫本を取り出して開こうとしたとき、黒いシャツと濃いブルーのジーンズに、黒い靴の男性がエレベーターから降り、こちらへ歩いてくる。
「怜香。少し早かったんだな。今日も、変わりないか?」
「はい、元気です。変わりないです。」
「それなら、良かった。4階に部屋を取ってあるから、来てくれるか。」
「はい…」
今日も変わりないかどうかを気にしてもらえるだけで、嬉しい…。
冬木様の後ろにつき、エレベーターに乗って404号室へ向かう。
エレベーターの狭い空間が、レザーのような濃い匂いの中に甘さの混じった、冬木様の重い香りが充満する。一体何の香水の香りなんだろう。この香りでさえも、私にとっては麻薬的な働きをする。どうしたって、惹かれてしまう。
「怜香。少し早かったんだな。今日も、変わりないか?」
「はい、元気です。変わりないです。」
「それなら、良かった。4階に部屋を取ってあるから、来てくれるか。」
「はい…」
今日も変わりないかどうかを気にしてもらえるだけで、嬉しい…。
冬木様の後ろにつき、エレベーターに乗って404号室へ向かう。
エレベーターの狭い空間が、レザーのような濃い匂いの中に甘さの混じった、冬木様の重い香りが充満する。一体何の香水の香りなんだろう。この香りでさえも、私にとっては麻薬的な働きをする。どうしたって、惹かれてしまう。