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第11章 堕落への恐怖

冬木様のおこなう行為が、SMと呼ばれるものなのかはわからない。SMクラブなどでプロとして縄や調教をおこなう人からすると、ただの欲求不満を抱えた人妻が、冬木という男性に刺激を与えられたことで一方的に欲情し、性欲を解消しているだけのことに過ぎないのかもしれない。その執着とは、恋愛感情と性欲がごちゃ混ぜになった、単なる欲求かもしれない。

それでも私は、与えられる行為に特殊性を感じ、それを普通ではない行為、普通ではない関係と捉えることで、興奮を覚えるようになってしまった。

曖昧な関係、背徳の行為。私の中でドロドロと渦巻く雌の欲が、男性を、性的な辱めを、求め続けている。