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淫欲の果てに。人妻・怜香32歳の記録
第11章 堕落への恐怖
玄関へ上がり、目に入ってきたもの。
それは、広い部屋にずらりと並べられた器具類と、装置だった。冬木様の後に続き、その部屋へ足を踏み入れる。
壁にかかっているのは、様々な種類の黒い手錠や拘束具に、短長様々な長さをした鞭や、ケインのような細長い棒。

少し奥に見える寝室の大きなベッドには、四隅に黒いベルトのようなものが取り付けてある。
最奥の壁際に鎮座しているのは、拘束台だった。中世の拷問器具で見た覚えがあるような、形をしていて、両手首と両足首、さらに太股の部分に、黒いベルトがついている。どれも、人間の自由を奪うためのものだ…。

部屋全体が、人を痛めつけるために用意された器具の異様な存在感により、加虐的な雰囲気に満ちている。
高層マンションの一室に、こんな部屋があるなんて。揃えられた器具の放つおどろおどろしさに、ぐっと唾を飲み込む。
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