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君がため(教師と教育実習生)《長編》
第9章 しのちゃんの受難(五)

「小夜」
名前を呼ばれるのは反則だ。
「小夜先生」なら、まだ教師としての理性も残るのに、「小夜」だと、ただの女になってしまう。
そうだ。ただの女として、里見くんは私を求めている。
ただの男として、里見くんを受け入れるかどうか。私が判断しなくてはならない。
「小夜、いい?」
何が、なんて聞かなくてもわかる。けれど、耳元で聞こえたその切ない声音に、私の下腹部が一層疼く。
……悔しいけど、私も高められすぎてしまっている。
「お願い、小夜」
里見くんの指が少しずつ上を目指している。少しずつ。
一気に進まないように、楽しみをあとに取っておくかのように。
素肌を這う。
「抱きたい」
イエスと言ってしまったら、三週間どころか一週間で里見くんの手中に落ちてしまったことになる。それはさすがに早すぎる気がする。
けれど、ノーと言って、止められるものだとも思わない。男性の生理的に、それは難しいだろう。
里見くんのものは、だいぶ前から屹立している。
ずっと前から、熱を持って主張している。
かなり前から私に押し当てられているものだから、結構困っている。
昂ったものをおさめる方法は多くはない。酷い言動や行動で萎えさせるか、出すものを出すか、だ。

